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心理学で見る「特別な場所」(2014年8月2日更新)

学生に人気の「居心地の良い場所」
学生に人気の「居心地の良い場所」

7月27日(日)に開催された本学のサマーキャンパスで,「心理学で見る『特別な場所』~ 地元・ほっとする場所」というタイトルで社会心理学の模擬授業を行いました。その内容を一部ご紹介します。

皆さんにとっての特別な場所はどこでしょうか。
たとえばそれは,「故郷」のような広い範囲を含む場所かもしれませんし,子供の頃にともだちと作った「秘密基地」とか,家の中の押し入れの一角のような狭い空間かもしれません。社会心理学や環境心理学の研究では,場所に対して感じる情緒的な絆のことを,「場所への愛着(place attachment)」といいます。今回の模擬授業では,そういった愛着を感じるような特別な場所として,「地元」と「大学内のお気に入りの場所」という2つの空間についてお話しました。

このお話の元になっているのは,人間社会学科心理ゼミの学生による2つの卒業研究なのですが,この記事では伊藤晴香さん(2013年度卒業生)の調査を手がかりにして,「大学内のお気に入りの場所」についてご紹介しましょう。

「窪地」すなわち「くぼんだ場所」が,人をリラックスさせるという見解があります。
「大学内にある窪地は,実際に学生たちから人気があるだろうか?」――伊藤さんはそこに関心をもち,「窪地性の高い場所」と「低い場所」の写真を大学生の被験者に提示して,場所の評価を求めました(ここで言う「窪地性」とは,床面を含んで2面以上が人を囲うようになっている半閉鎖的空間のことです)。調査の結果,男性でも女性でも,窪地性の高い場所は「居心地が良い」と評価されていました。

では逆に,「大学内で居心地が良いと感じる場所」を学生たちにたずねたら,そこは「窪地」のような空間が多いのでしょうか。今度はわたしが,現在の心理ゼミの学生たちに「大学内のお気に入りの場所」を写真にとってもらい,それらがどういう場所なのかを確認することにしました。そのうちの2つが,この記事の中にある写真の場所です。どうやら居心地が良いのは窪地だけとは限らないようです。窪地が好まれるのは,ひとりでホッとしたい時だけのようですね(椅子と机の写真)。友人といる時は,むしろ開放的な場所の方が好まれるようです(屋根付きのベンチの写真)。

模擬授業につづいて行なわれたキャンパスツアーでは,本学の学生が高校生たちを「居心地の良い場所」に案内し,窪地のパワーを確かめてもらっていました。

文: 波多野純(人間社会学科)

 

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