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障害者スポーツに関わる:テニス教室を終えて


前期の間に知的障害者のためのスポーツ教室テニスを実施しました.就学期間を終えた障害をお持ちの方々は,運動を含め社会の中で集まる機会が少ないといわれています.そこで,大学にある資源を活かして,その活動の拠点を創ろうと試みたのが,今回のテニス教室でした.

そこでは,私自身にも様々な発見がありました.知的障害者のためのスポーツ教室は,いつもの授業をもっと丁寧に進めていくという取り組みであったからです.

皆さんが的に物を当てるようなスポーツに取り組む時,何に狙いをつけるのかということが非常に重要です.もちろんテニスもそうですが,ボーリングやサッカーのシュートなどもそうですね.

例えば,ボーリングでは,遠くに置かれた10本のピンを,出来るだけ多く倒すことが求められます.その時に必ずやらねばならないことは,ヘッドピン(先頭のピン)にボールを確実に当てるということです.ボーリングのピンは,前から1本,2本,3本,4本に置かれ,上から見ると三角形に配置されています.投げたボールは当然前に進みますので,最前列のヘッドピンを外すと10本全部は倒れません.当たり前ですね.皆さんがボーリングの球を投げる時,どこに狙いをつけますか.ここまでの話を聞くと,「ヘッドピン」という声が聞こえてきそうですが,そうではありません.皆さんは,スパットというものを知っていますか.ボーリング場のレーンの足元近くに三角形のマーク”スパット”があります.そう,あの山型に埋め込んである三角形の色の濃い木片です.これを使います.このマークの1つとヘッドピンを直線で結び,そのスパットに狙いを定めて投げるのです.目標はヘッドピンではありません.足元にあるスパットです.

遠いところに目標を定めると,物事の困難感は高まります.しかしながら,中間に適当な目標物があれば困難感を引き下げることができます.テニスの場合は,相手のコートを狙うのではなく,ネットの白い帯のどこを通すかを考えて打つのですね.するとコントロールが定まります.この考え方で,ネットの上にフラフープを結び付け,近距離からボールを打ってみるなどというような練習をしました.スポーツの導入期には,困難感を引き下げて練習することが重要です.

今回のテニス教室では,コートエリアは狭く,ボールはあまり弾まない,やや大きいサイズのボールを使いました.そのため,比較的ラリーが続けやすかったと思います.実際に,出来る人はミニラリーが楽しめるようになっていました.自分は出来ると感じることが増えれば,スポーツは楽しくなり,動機づけは高まります.

このように中間目標の設定を意識し,動機づけを維持できるようにテニス教室を進めたつもりです.今回の取り組みは,大学の授業の中にも応用できる事柄が多かったと思います.まさにスポーツ心理学の実践でした.
また,短期的にはわかりませんが,活動の拠点づくりに有効であったとしたならば,参加者の皆さんのメンタルヘルスの向上にも役立ったかもしれませんね.また,いつか確認したいと思います.
ご興味があれば皆さんも一緒にやりませんか.(鍋谷)

 

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