事業名 | 留学生の地域(自治会等)との関わり方の検討について |
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担当者 | 金 承子 |
所属 | 人間社会学部人間社会学科 |
実施時期 | 2018年8月1日~2019年2月28日 |
分野 | 多文化共生 |
キーワード | 多文化共生 留学生 外国人住民 地域(自治会等) 地域参画 |
本報告書は、「留学生の地域(自治会等)との関わり方の検討について」の調査名で2018年11月から2019年1月にかけてアンケート調査を行った。調査目的は、静岡市住民による外国人への実態を把握し、留学生の交流等に向け、地域(自治会等)へ溶け込むための助言と提案を試みたものである。本調査は静岡英和学院大学に通う留学生を含む近隣の大学や日本語学校などに通う留学生と地域住民を対象として実施された。その結果、留学生540人と地域住民246人の皆様から貴重な回答を頂くことができた。今回のアンケート調査から予想以上に両側の意識が高く、好意的であることが明らかになった。
静岡市の外国人住民数は平成30年11月末で9,737人、前年比686人(うち留学生203人)と、平成25年度以降増加傾向にある。「共生都市」を目指す静岡市としては、多様な個性を持つ市民が互いに尊重し、ともに暮らすことができるまちを目指している。そのためには、留学生住民が生活する上で、地域活動等への留学生の参加を促すことが最も重要であると認識されている。しかし、留学生は地域の行事に参画したい気持ちはあるものの、授業やアルバイトなどにより参加できない状況や、大体地域から発信される情報を手に入れることなどが難しいと考えられる。そこで、本報告書では、留学生の地域参画状況や地域住民による留学生受け入れ方の状況を正確に把握することを課題としてアンケート調査を実施した。その結果、静岡市の留学生と地域住民との関わり方の基本的方向を提示し、実行可能な政策的支援策を提案する。
アンケート実施を行う際に多くの地域住民の方と留学生との出会いがあった。その調査結果、予想以上に両側の意識が高く、好意的であることが明らかになった。その活動の第一歩として、地域住民と留学生(外国人)が共に安心して暮らせ、なお、留学生の支援につながる事業化のヒントを得るために静岡英和学院大学にて「座談会」が開かれた(2018/12/12付静岡新聞)。さらに、座談会の場を変えて本学の学食堂で食事をしながらの話の中で、和やかに話をする様子が見られた。とても微笑ましい光景だった。留学生がこうした形で日本語を使った体験は大変貴重であるため、今後も継続してコミュニケーションをとれる場を設けていくことが必要であると思われた。
以上の活動により、静岡市の実情に適した実際に活用可能という成果が見込まれ、留学生と地域住民が共に生きていく「共生都市」という地域課題の糸口が見えてきたのだと強く感じている。
駿河区は静岡市の3区の中で留学生が最も多く住んでいる地区である。しかし、イベント(防災訓練など)の参加率は低く、地域住民との繋がりはほぼない。その現状を解決するためにも、地域住民側、そして留学生側が思っていることを伝えあい、相互に理解し合うことが求められている。
大学と地域は不可分の関係にある。これから大学が地域と共生するためには、地域の状況に開かれた姿勢で共同の経験をすることができるプログラムをたくさん新設しなければならない。今後、大学の役割を地域社会革新のための産学協力の観点から分析し、大学と地域社会が共存共栄できる関係を構築したいと望んでいる時第である。
外国人(留学生)との成熟な社会を実現するためには一度限りの関心(研究など)ではなく、継続的な取り組みが必要であると思われる。
そのためには、産学官の協力関係の一層の強化が必要となるでしょう。
(窓口)静岡英和学院大学 企画部 地域連携担当
Tel&Fax 054-262-0091