2012年度人間社会学科展開科目「観光フィールドワーク演習」静岡市を対象として

基本情報

事業名 2012年度人間社会学科展開科目「観光フィールドワーク演習」静岡市を対象として
担当者 野瀬 元子(2017年度退職)
所属 人間社会学科
実施時期 2012年9月28日~2013年1月15日
分野 地域づくり
キーワード まちづくり

事業の紹介

概要

紺屋町名店街、静岡市市役所交通政策課、静岡まちづくり公社にご協力をいただき、履修者が調査員として市街地活性化に関する取り組みの現状と課題について調査を行った。

目的

本調査は「観光フィールドワーク演習」の履修者が静岡市中心市街地の地域振興を次の4つのテーマに分かれて取り組まれた。

  1. 商店街(5名)
  2. 大型商業施設(5名)
  3. 公共交通(1名)
  4. 地域活性化のためのイベント(5名)

それぞれのテーマを対象とした4つのグループを構成し、利用者の動向、関係主体の現状の取り組み、今後の課題を把握し、地域活性化方策について考察することを目的とした。

活動内容

履修学生16名は上記グループ毎に、次の通り活動を行った。グループ1は紺屋町名店街にご協力をいただき、大型商業施設が新規に開業した影響や今後の対策について商店の店主6名にそれぞれの店舗に訪問し、インタビュー調査を実施した(2012年11月5日、9日)。また、4グループの質問項目を一つの調査票に編集したものを用いて、履修者全員が調査員となり、来街者を対象としたアンケート調査を静岡市中心市街地のけやき通りで実施した(同年10月27日)。有効回答は193であった。グループ2は4名が、文献調査のまとめ、上記回答データを基にした集計・分析を担当し、1名が新静岡セノバ総支配人を対象としたインタビューを担当し、地域の商業施設、商店街との連携や地域振興策について意見を収集した。グループ3は、静岡市の公共交通に対する問題意識を持った学生1名が担当し、既出のアンケート調査データの集計・分析、および静岡市役所交通政策課を対象としたインタビュー調査を実施し、地域交通の課題について質問し、回答と資料の提供を得た。(同年10月26日)。グループ4は、地域商店街の活性化を目的とした取り組み事例として、おまちバルに着目し、静岡市まちづくり公社まちづくり支援課を対象としたインタビュー調査を実施し、概要を把握後(同年10月26日)、地域イベントでボランティアスタッフとしてイベント運営補助及びイベントへの参加を通じた参与観察を行い、実態の把握を行った(同年11月10日)。

成果

学生が主体的に自らの関心を深め、地域の関係主体に対して臆せずに積極的に調査を依頼し、地域の実態把握、課題の理解について粘り強い取り組みを行うことができた。多くの学生が地域の方々との接点を持った経験により、責任感や積極性を持って行動するようになれたという感想を示していた。また、これまで見過ごしていた地域の発展過程について、地域を支える方々の声に接することで関心を持つことができるようになったようである。特に、静岡駅北口整備事業(2010年3月完了)に対して、地上及び地下街に店舗を構える同一商店街に属する事業者の多様な意見を聴取し、ハード面の整備に一定の評価がある一方、活性化のために空間の利用方法等、ソフト面の課題の存在ついて明らかにし、身だった駅前地下通路の見過ごしていた課題について理解を深めることができた。本調査の結果は「観光フィールドワーク演習 調査実習報告書2012」として2013年1月31日に刊行した。

メッセージ

私の研究室では,観光地や観光施設などのフィールドで,学生とともに来訪者へのアンケートや観光振興に取り組む主体を対象としたインタビューを通じた社会調査をこれまで行ってきました.これからも地域の観光振興に向けた検討を行っていきたいと考えています.地域磨きには外からの視点を持つことが有用です.様々なニーズを持つ人の視点で地域を見直してみましょう.

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(窓口)静岡英和学院大学 企画部 地域連携担当

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