植田教授は、社会福祉専門職による自己受容のテーマを、一つ一つ深みのある言葉で説明された。このテーマは、人間が生きる上での共通性を探索するものであった。社会人になるために、社会参加をするために、そこには自律性と相互性が必要である。他者を正しく認識し、共感的に理解するためには、自らの自己一致が必要であること、自己受容が必要であることを語られた。自己と他者のあいだにあるものとは何かの追究、ここから人間の存在とは入れ物であり、空っぽであることの認識に行き着く。ここにこそ、人間としての共通性が確認される。これらは、対人援助職だけではなく、広く社会一般に認められるべきであるとメッセージを送られた。さらに、共生社会の実現に向けて、私たちがいかに取り組むべきか、何が求められるかの論議へ展開し、会場の学生たちからも深い質問があった。会場からの拍手と花束贈呈で、最終講義の幕を閉じた。「植田先生、ありがとうございました」
コミュニティ福祉学科 学科長 梓川 一